防犯カメラの種類によっては、停電やブレーカー落ちなどのトラブルが発生すると、防犯カメラの電源も落ちてしまうことがあります。
停電して防犯カメラが使えなくなってしまうと映像を残せなくなったり、停電の原因によっては防犯カメラの故障につながる場合もありますので注意が必要です。
今回は、防犯カメラが停電した場合の対処法や、防犯カメラの停電対策などについてご紹介したいと思います。
停電すると防犯カメラはどうなる?
防犯カメラは電気で動いているため、作動中に停電が起こった場合にどうなるのかが気になる人も多いのではないでしょうか。
停電するとほとんどの電気製品は使えなくなってしまいますが、防犯カメラの場合は機種や状況によって影響の有無やトラブルの内容が異なります。
そこでまずは、防犯カメラの設置中・使用中に停電が発生したときにどんなことが起こる可能性があるかについてご説明したいと思います。
コンセント電源だと停電時に防犯カメラが止まる
防犯カメラは長時間連続して使用することが多いため、電力がなくなる心配がない『コンセント電源タイプ』の機種の割合が多くなっています。
コンセントの電源は各地域の発電所から電線を通して供給されているため、何らかの理由で停電が発生して供給が断たれてしまった場合、防犯カメラの電源も同時に切れることになります。
防犯カメラの電力を確保する方法が『コンセント電源のみ』の場合は、停電すると動かなくなってしまうので注意しましょう。
停電時に映像データが破損する可能性あり
レコーダー(録画機)とカメラを接続して使用するタイプの防犯カメラは、停電が発生するとレコーダーの電源も同時に切れてしまいます。
レコーダーの録画機能が作動中に、正常な方法以外で電源が切れた場合は録画保存していたデータが破損・消去されてしまうおそれがあります。
停電は突発的なものが多いため対策が難しい面もありますが、『計画停電』などあらかじめ停電が行われることがわかっている場合は、データのバックアップを取るなどの準備をしておくとトラブルの予防につながります。
落雷による停電は防犯カメラ本体が故障する原因になる
停電は電線のトラブルや計画停電など様々な状況で起こることがありますが、防犯カメラを設置している場合『落雷による停電』にはとくに注意が必要です。
とくに、Wi-Fiなどのネット接続機器を利用するタイプの『ワイヤレスカメラ』は落雷に弱い機種が多いため、屋外用の防犯カメラとして設置する場合は落雷・雷害対策を行っておくと安心できると思います。
防犯カメラの落雷対策のやり方については、下記の項目でご紹介しております。
防犯カメラの停電対策方法とは?選び方・対策グッズなどを紹介
防犯カメラの作動中に停電が起こると、『コンセント電源』で動くタイプはその間防犯カメラが使えず、設置場所の防犯性が下がってしまいます。
また、機種によってはデータ破損や故障などのトラブルのおそれもありますので、心配なときはあらかじめ対策方法をチェックされることをおすすめいたします。
ここからは、防犯カメラの停電対策方法についてご紹介したいと思います。
『ソーラー充電』など停電でも使える防犯カメラで停電対策
停電すると使えなくなるのは『コンセントから電力を確保する』タイプの防犯カメラです。
『ソーラー充電』や『乾電池』『USB充電』などの電力を使用するタイプの防犯カメラは、停電やブレーカーの影響を受けないため、停電対策用としてとくにおすすめできます。
ここでは、コンセント給電以外の方法で電力を確保する防犯カメラの一部をご紹介したいと思います。
WTW 塚本無線 ソーラー式防犯カメラ(日本メーカー)
一番のおすすめは、日本の防犯カメラ大手『塚本無線』の亀ソーラー3Plusです。
日本メーカー製品で作りがしっかりしているだけでなく、通信方式が「APモード」なので、Wi-Fi環境がなくてもスマホでカメラの映像を確認することができます。
性能ばっちりのおすすめ製品ですが、お値段は少し高めなので、「しっかり防犯対策をしたい」「トラブルの証拠を何としてもつかみたい」という人向けの製品です。
BOIFUN ワイヤレス/WIFI 防犯カメラ
Amazonならではの海外メーカー製の防犯カメラですが、ソーラー充電・USB充電の2通りの給電方法を搭載しつつ、予備バッテリーで365日稼働できる優れもの。
Wi-Fiルーター・モデムと接続するとスマホとのアプリ連携が可能で、外出先から映像を確認することができます。
ワイヤレスカメラは落雷に弱いですが、カメラを通じて天候の状況などをチェックしておくことで『天気が荒れそうだから、カメラを室内にしまっておく』など早めの対策もしやすくなると思います。
Rebluum 屋外ソーラー式防犯カメラ
こちらも、Amazonならではの海外メーカー製の防犯カメラで、ソーラーパネル充電のみですが、Alexaと連携できるという特徴があります。
echoshowなどのAmazonデバイスを使っている人であれば、スマホを使わずに「アレクサ、映像を見せて」というだけで映像を見ることができます。
また、録画データはSDカードとクラウド両方にできますので、停電で片方が使えなくなっても、もう片方は使えるという安心感があり、おすすめです。
非常用電源システムを搭載している防犯カメラを設置する
UPSとはいわゆる非常用電源・予備電源のことで、UPSに接続している防犯カメラなら停電した場合でもすぐに電源が落ちてしまうことはありません。
ただし、停電が長引いてUPSの充電がなくなってしまった場合は防犯カメラの電源も落ちてしまいます。
UPSはあくまで『一時的に電源を確保する』のがおもな目的、ということは留意しておきましょう。
また、UPSを取り入れられる防犯カメラは基本的に配線工事が必要な本格的なタイプに限定されており、ワイヤレスタイプの防犯カメラには対応していないことが多いので注意しましょう。
建物自体の予備電源・非常用電源で防犯カメラの停電を対策する方法
建物自体に予備電源・非常用電源のシステムがある場合は、停電が起こっても一時的に対応が可能です。
たとえば、個人住宅でも屋根にソーラーパネルを設置している家などは、停電時にソーラー発電で作った電力に供給方法を切り替えることで防犯カメラを使い続けられることがあります。
ただし、停電が発生した場合は一時的に電源が切れることは変わらないため、コンセント電源タイプの防犯カメラが停電したときのデータ破損などを予防することは難しい、という点に注意が必要です。
停電・コンセント抜け検知器を設置する
『停電・コンセント抜け検知器』とは停電対策グッズの1つで、停電が発生したときやコンセントが抜けて通電しなくなったときに、アラームを鳴らして通報する機能が付いています。
機種によっては既設のルーターと連携できるタイプもあり、外出先で停電が起こった場合にメールで通知することもできます。
停電から復旧すると自動でスイッチが入るシステムを搭載した防犯カメラ
停電や落雷・ブレーカー落ちなどで建物の電源が落ちてしまうような突発的なトラブルが起きると、その後の対応に追われて防犯カメラの電源を入れ直すのを忘れてしまうことも考えられます。
このようなトラブルを予防する場合は、『停電から復旧したときに自動でスイッチを入れ直すシステム』が搭載されている防犯カメラを設置する対策が効果的です。
ただし、こちらも防犯カメラとコンピューター(サーバー)を連動させているような『業務用』の防犯システムに限られ、一般家庭向けの防犯カメラではあまり見られません。
防犯カメラの『落雷による停電』を対策する方法
防犯カメラは外からの侵入者を対策するために屋外に設置されることも多いですが、屋外カメラの場合は落雷による停電や故障に注意が必要です。
落雷による防犯カメラの故障が気になる場合は有線接続の機種を選ぶか、『SPD・避雷器』といった雷サージ対策用のグッズを取り付ける、などの方法で対策してみましょう。
SPD・避雷器はネットショップなどでも販売されていますが、設置には電気工事士の資格が必要となるため、SPD・避雷器での対策を行う場合は専門の業者に依頼されることをおすすめいたします。
防犯カメラが原因でブレーカーが落ちることは少ない
防犯カメラの電源を常に入れている状態だと、『ブレーカーに圧力がかかって落ちないか』が心配な方もいるかもしれません。
しかし、防犯カメラの消費電力は0.5~2W程度、屋外用だと7W前後、レコーダーの消費電力は20W程度となっています。
これは、常に電源を入れておく家電で代表的な『冷蔵庫』の消費電力(約150~300W)と比べてもかなり少ないため、防犯カメラが原因でブレーカーが落ちることは少ないでしょう。
防犯カメラの使用中にブレーカーが落ちるのを対策したい場合は、防犯カメラ以外の電気製品の同時使用を控える対策方法が効果的です。
防犯カメラが停電したらどうなる?トラブルと対策方法まとめ
今回は、防犯カメラが停電した場合のトラブルや対策方法などについてご紹介させていただきました。
『コンセント給電』タイプの防犯カメラは停電すると使えなくなってしまうため、UPSや予備電源などの対策方法を準備しておくと安心です。
また、家庭用防犯カメラの場合はソーラー充電などワイヤレスで使える機種を選ぶと停電を気にせずに使うことができます。
停電は突発的なものですが、今回ご紹介した内容も参考にしながらいざというときのトラブルに備えてみてください。
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